教員採用試験で合格者が7割辞退 なぜこのようなことが起こるのか

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高知県で教員採用試験に合格した7割が辞退をしたいというニュースがありました。鳥取県でも約半数が辞退をしているということです。

高知県において教員採用試験における合格者の辞退率は、この3年間で横ばいとのことです。つまり毎年このくらいの数の辞退者がいるとのことと推測できます。

今回は小学校教員の採用試験についてのようです。

ただしここで注目したいのは、採用予定数は130人とのことで、合格通知を出したのは280人とのことです。つまり教育委員会側としても、かなりの数の合格者が辞退してくるということは想定できたことなのでしょう。

辞退数が多い理由としては

  • 滑り止め
  • 教員の労働環境

と考えているようですが、本当にそれだけなのでしょうか?

当サイトとして考える問題はそこではなく、「そもそも辞退者が受験しなかったら、そのほかの人が合格できたかもしれない」という点です。

これは結果論であることはわかっているのですが、合格したくてもなかなか難しい受験者は存在するのです。

また悲しいと思うことは、辞退すること自体は自由です。自由なのですが学校が今の若い世代から見ると、滑り止めの就職先となっているという事実です。

教員採用試験の大きな問題点

教員採用試験に合格するためには、各都道府県や政令指定都市が行う教員採用試験に合格する必要があります。

この試験は基本的には学力試験となります。面接を行いますが、短時間でその人の人間性を見抜くのは難しいことでしょう。

よって学力から合否を判断することに重きを置いているといわざるを得ません。

しかし小学校の先生に必要なのは学力だけではない、もしくは学力以上に大切なものがあると考えています。つまり人間力です。

学力不足といわれたらそれまでだが

人間力があったとしても学力が足らず不合格となっている受験者は多いことでしょう。

「合格したいなら勉強するべき」

そう考えるのも自然なことですしその通りだと思います。

表現の仕方が難しいのですが、極端な例を出すと「勉強ばかりしている人よりも、友達と遊んでいる人の方が小学校の先生としては魅力があるのでは?」と思うことがあるのです。

もちろん最低限の勉強は必要です。しかし学力の有無に関わらず講師は働いている現状があります。であるならば、教員採用試験の合格基準を変えていく必要があると思うのです。

たとえばですが、以下のような人は勉強している時間が短くなってしまいます。

  • 講師として学校で勤務していた
  • 留学をしていた
  • ボランティアをしていた
  • 仲間と何かしらの活動に力を入れていた

勉強時間が短いというのは本人の選択ではありますし、学力が足りないのも本人の責任だと思います。

しかしこのような経験のある人が学校の先生である方が、余程子どもたちに響くのではないでしょうか。

学力は後からでも何とでもついてきますし、先ほども上げた通り、学力の有無にかからわず採用試験に合格していない講師は学校で働いています。

ここに大きな矛盾を感じるのです。

待っているところで何度も用意してきた用紙を復唱している

教員採用試験で面接をする際に目にした光景ですが、少し異様なものでした。

それは多くの受験者たちが自分が用意してきた用紙を見ながらブツブツ唱えているのです。

面接で聞かれるであろうことをリストアップし、それに対する模範解答を復唱しているようなのです。

これを自分で作成したのか、それとも大学で先生を交えながら検討したのかは不明です。

ここで疑問が浮かびました。

「それは本当にあなたの意見でしょうか?」

という点です。

採用試験に合格するために本心を語っていないのでは?と疑ってしまったほどです。

試験対策といってしまえばそれまでですし、反則行為というわけではありません。しかし用意した答えを披露するだけの面接に何の価値があるのでしょうか?

何を求めているのか

この国の教育業界は、どのような先生を求めているのでしょうか?

  • 学力が高い
  • 生徒の成績を伸ばせる
  • 新しい技術にすぐに対応する
  • どれだけ長い時間働いても文句を言わない
  • 言われたことは文句も言わず黙々とこなす

このような人材の確保を求めているように感じます。

正直、今の社会では通じない考え方だと思います。

よほど教員になることが夢である人であったり、社会に出て公務員の魅力を感じている・・・といった人たちで「どうしてもなりたい!」と考えている人以外には通じない考えかもしれません。

選択肢が多い

現在の世の中は、さまざまな職種があふれています。

そして教員や教員の仕事に関して、マイナスのニュースであふれています。

このような状況の中、どうしても教員になりたいと考える人は少なくなるのは当然でしょう。

教員の数を増やしたいのならそれなりの扱いが必要

以前までは、教員になって数年働くことで奨学金の返済が免除になるということがありました。これはこれで一つの方法かもしれません。

個人的にはあまり賛成したくはありませんが、人によっては何十年の返済し続ける奨学金が無くなるということであれば、それに魅力を感じる人もいることでしょう。

教員になれば奨学金の返済を免除 条件は教育実習30時間以上 論点が違うし不平等
2024年文部科学省は、教職大学院を修了し採用試験に合格した人を対象に奨学金の返済を全額免除するという方針を打ち出しました。そしてその後、教職大学院以外の大学院を卒業して教員になった人についても、奨学金の返済を免除するという方針を示しました...

そのほかには、必ず年休を好きなときに取れるようにするというのもよいかもしれません。学校の先生はなかなか休みを取りづらいのが現状です。(取れるけど取らない人が多い)

さらには、教員の仕事をサポートする人(副担任性)を作るのもよいかもしれません。事務作業もそうですが、保護者対応などもです。

いずれにしても、学校というのは古い慣習が残りやすい場所です。それを積極的に刷新していかないことには教員希望者は増えていかないことでしょう。

ただし新しいことを積極的に導入すると、年配の先生たちが新しいことを覚えなければならなくなります。するとそこでまた新たな問題が発生してしまうのです。

このあたりをうまくバランスよく行っていく必要があることでしょう。

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