教員の残業代のことを「教職調整額」といいます。
2024年の段階では、一律給与の4%が残業代として支給されるようになっています。
文部科学省はこの数字を段階的に引き上げ、13%にしようという予算案を提出しているというニュースがありました。目的としては教員になろうと考えている人間を増やそうとしているのだろうと思います。
このニュースを受け「やはり文部科学省はよくわかっていない」という思いになってしまいました。以前も当サイトの中で「教員の残業代を4%から10%に引き上げは誤った施策である理由 順番が違うと思う」という記事でも触れました。
文部科学省の内部のことは知りませんが、学校で教員として働いたことのある人がいるのでしょうか?
給与を増やせば人が集まるということではない
実際に教員として働いた経験のある私からすると、「論点はそこではない」と思うのです。
つまり教員の残業代を4%から13%に増やしたからといって、先生になりたい人が増えるのか?といったら微々たるものだと思います。
ちなみにクジラボというところが調査を行ったようです。その結果、約96%の教員が残業代が増えたとしても、先生になりたいと思う人は増えないと回答しています。
そうなのです。これが現実です。
給与どうこうで先生をしているわけではない意
ここからは私の体験を交えた私見となります。
そもそもですが先生の仕事に就いている人たちは、給与額が多いに越したことはないのですが、お金目的で先生をしているというわけではないケースが多いです。
先生という仕事が好きなのです。
そもそも先生になりたいと思う人が少ない理由は、労働環境の問題です。給与の問題ではありません。
- 仕事が多い(無駄な仕事)
- 先生の立場が弱くなっている
- やることがどんどん増えている
- 超縦社会
私の経験からするとこのあたりが問題なのかと思います。
ちなみにですが、私が学校で働いていたときに上記のことはあっても、とくに問題として捉えることはありませんでした。私個人の性格なのか、職場の周りの先生なのかはわかりませんが、ポイントポイントでトラブルは発生しましたが、全体的に見たらよい職場だと思いました。
ただ真面目な人からすると、少しやりにくい世界なのかもしれないと思います。
仕事が多い(無駄な仕事)
参加する必要のない研修や会議があったりします。
また昔から伝統的に行っているから・・・という理由の行事などがあったりすることも。
先生の立場が弱くなっている
モノ言う保護者は多くなっているのかもしれません。しかし保護者への対応を事前から行っているとあまり学校側に行って来なくなったりもします。
そう考えると、昔に比べ学校と地域が触れ合う機会が減ったからこそ、「あの先生だったら仕方ない」で済んでいたことが、大きな問題へとつながっているのかもしれません。
やることがどんどん増えている
最近でいえばGIGAスクール構想があります。生徒一人に1台のコンピューターを整備するといった内容です。
教える側の先生は、ある程度コンピューターに詳しくなって置く必要があります。今までコンピューターに慣れていない人からすると大きな仕事が増えたことになります。
また現在では小学校で英語教育も必修となりました。
このようにどんどん新しいことを取り入れていかなければならない、そしてそのためには勉強しなければならないということが先生たちの負担を増やしているのだと思います。
超縦社会
学校にもよりますが、基本的に学校は超縦社会です。校長先生のいうことは絶対です。
これは現代社会では受け入れられないという人は多いことでしょう。
正直甘えもあるのでは?
学校でも一般社会でも働いた経験を持つ人であればわかると思うのですが、学校の先生という仕事はそれほど大変ということでもありません。
繰り返しになりますが、個人的な意見ですし、学校や周りの同僚、そして保護者によって変わってくることはあります。
たとえば上記した内容も、変な話回避策があります。
- 仕事が多い(無駄な仕事)
一般的な会社の方がよほど多いです。さらに数字をだなければなりません。もっというと無駄だと思う仕事なら必要最低限以外はしなければいいです。 - 先生の立場が弱くなっている
あらかじめ保護者と連絡を取り合っていると、意外と問題は起こりません。問題が起こりやすいのは、全然保護者とコミュニケーションを取れていないケースが多いように思えます。 - やることがどんどん増えている
一般社会でも同じことがいえます。20代や30代の知識だけで、その後定年まで何とかなるほど仕事は甘くはありません。常に勉強する必要があります。 - 超縦社会
縦社会ではありますが、極論上司に逆らってもクビになることはありません。少なくても一般企業よりは安定しています。
一度社会に出て数年働いた経験を持つ先生からすると、先生という仕事はかなり恵まれていると思うことでしょう。
しかし学校以外で働いたことのない人からすると、いろいろ不満を感じることもあるでしょう。
学校の先生になる前に一度社会に出ることをおすすめする
これから先生と目指そうとしている人は、一度学校以外の場所で正社員として働いてみるとよいでしょう。
すると世の中がどのようになっているのかがわかります。
社会で働く、一般企業で働くとはどういったことなのかを理解することは大事です。
その後で学校の先生になると、以下に恵まれた職場であるのかを実感できると思います。
再三繰り返しますが、あくまでもこれは私見です。人によっては学校の先生なんて冗談じゃないという人もいるかと思います。