養護教員になるために 養護教諭免許を取得
養護教諭になるためには、養護教諭免許状を取得する必要があります。
養護教諭免許状を取得するためには、「養護教諭免許状を取得するための単位を扱っている大学で必要な単位を修得する」必要があります。
養護教諭とは保健室の先生
養護教諭とはわかりやすくいうと「保健室の先生」です。
学校に在籍している生徒の健康面全般を把握し、適切な対応を行うことが主な仕事となります。
また教室には行けないけど保健室には通えるといった生徒に対して指導を行うこともあります。
基本的にクラス担任になることはありませんが、副担任で入る可能性はあります。また急な休みの先生の代わりに入ることもあります。
養護教諭の教員免許は3種類
養護教諭の普通免許状は、以下の3つの種類に分かれています。
- 二種免許状・・・短大・専門学校レベル
- 一種免許状・・・大学レベル
- 専修免許状・・・大学院レベル
二種免許状が一番下の免許状であり、そこから一種免許状、そして専修免許状となります。
二種免許状を取得するためには42単位、一種免許状を取得するためには56単位、専修免許状を取得するためには80単位が必要となります。
種類 | 学位 | 単位数 |
---|---|---|
二種免許状 | (短期大学士) | 42 |
一種免許状 | (学士) | 56 |
専修免許状 | (修士) | 80 |
一般的に教員免許状は大学でしか取得できないのですが、養護教諭免許に関しては、二種免許状であれば専門学校でも取得することが可能です。
免許状の違いによる影響
持っている免許状の種類により差が出てきます。
養護教諭免許状は「二種」「一種」「専修」とありますが、「二種」よりも「一種」、「一種」よりも「専修」を持っていたほうがよいです。
とはいえ、多くの先生が持っている免許状は「一種」であるため、これから取得を目指すのであればそこを目指してみてはいかがでしょうか。
仕事内容は同じ
仕事内容としては、どの免許状を持っていても基本的には同じです。
給与の違い
持っている免許状の種類によって給与面での差が出ます。
これは他の教員免許でも同じですし、一般企業でもいえることでしょう。
上位免許状を持っているということは、それだけ取得までにお金や時間をかけています。
一種免許状の取得を促される
将来的に管理職を目指す場合には、少なくても一種免許状を持っている方がよいでしょう。
そしてもし二種免許状で採用された場合、一種免許状の取得を促されることがあります。なぜなら努力義務があることを「教育職員免許法」でも謳っているためです。
養護教諭免許はパワーアップすることができる
養護教諭免許はパワーアップすることができます。
つまり二種は一種へ。一種は専修へとアップグレードすることができるのです。
「養護教諭の教員免許は3種類」でもお話ししましたが、免許状の種類によって修得する単位数は異なります。
もし二種免許状を持っている人が一種免許状を取得するのであれば、「56単位-42単位=14単位」を修得すればよいです。一種免許状関連の単位は大学、もしくは通信大学で修得することができます。
同じように一種免許状を持っている人が専修免許状を取得するのであれば「80単位-56単位=24単位」を修得すればよいです。専修免許状関連の単位は、大学院で修得することができます。
単位は大学か通信大学で修得可能
持っている免許状を上位にするために必要な単位は、大学か通信大学で修得可能です。どちらを選んでも同じです。
どの様に単位を修得していくのかは、人それぞれ異なります。
- 現在学生か?社会人か?
- どの種類の養護教諭免許状を持っているのか?
- 学生生活をするのか?社会人として働きながらなのか?
これらシチュエーションのどれかによっても、進む道は変わってくるかと思います。
あくまでも一般的な話ですが、以下のような選択肢があります。
- 短大生の場合
大学の3年次へ進学、もしくは仕事をしながら通信大学で取得 - 大学生の場合
大学院へ進学、もしくは仕事をしながら通信大学で取得 - 社会人の場合
通信大学、通信大学院で取得
楽に取りたいのであれば
一般的に楽に免許を取ったり、上位免許状にするのであれば通学をしたほうがよいでしょう。
通学していればどの授業を取るのか、いつ学校に行けばよいのか、現在の単位状況はどうなのかということなど、いろいろ大学側が教えてくれます。
また周りにも同じ状況の生徒が沢山いるため、迷わずに免許状取得へ突き進むことができます。
また授業も直接受けるため、わからないところは直接質問できますし理解度が高くなります。
仕事をしながら、学費を抑えるなら
仕事をしながら、そして学費を抑えながら上位免許状にするためには、通信大学や通信大学院を選んだ方がよいでしょう。
正直かなり学費は安くなります。
しかし基本的には自学勉強となるため、自分で自分のことをしっかりと管理できないと途中であきらめてしまう人もいます。
保健師から養護教諭を目指す
保健師から養護教諭を目指すことも可能です。
保健師は国家資格であり、「看護師免許」と「保健師免許」を取得する必要があります。一般的には4年~5年ほどかかるとされています。
その後、養護教員に関わる単位を8単位ほど修得し、教育委員会に申請を行うことで「二種免許状」を取得することができます。
考え方による
どのような養護教員になりたいのかによって、進む道は変わってくることでしょう。
養護教員として学校で働くことが最終目標であるのなら、保健師を間に挟むことはないと思います。なぜなら4年~5年は時間を要するためです。
ところがより多くの知識を身に付けた上で養護教員になりたいと思っているのなら、まず保健師を目指すといった方法もよいかもしれません。
また現在保健師として活動していて、学校でも働いてみたいと思うのであれば、必要単位だけを大学に修得しに行ってみるのもよいかもしれません。8単位ほどであれば比較的すぐに取ることができます。
養護教諭の採用試験
養護教員になるためには、教員採用試験に合格しなければなりません。
「教員免許を持っているから学校で働ける」というわけではないのです。
どの教員でもいえることですが、学校で働く正規の職員になるためには、必ず教員採用試験に合格しなければならないのです。
採用試験用の勉強
教員採用試験に合格するためには、それ専用の勉強をしなければなりません。
よく勘違いされやすいのですが、免許を取得するときには免許を取得するための勉強をするに過ぎません。
採用試験勉強は全く別のものとなります。
もちろん内容が多少なりとも被っている部分もありますが、専用に勉強をしなければなかなか合格することは難しいです。
意外と倍率が高い
養護教諭の採用試験の倍率は意外と高いです。
受験する都道府県や年度にもよりますが、以下のような倍率が過去にはありました。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
東京都 | 744 | 88 | 8.5倍 |
静岡県 | 150 | 23 | 6.5倍 |
大阪府 | 379 | 25 | 15倍 |