従来ある「1クラス1人の担任制」を廃止したチーム担任制を取り入れた小学校があるというニュースがありました。鹿児島県の小学校とのことです。
複数のクラスを複数の担任が受け持つというものです。
ニュース内ではこの取り組みは好評であるとのことですが、記事を一通り見た私の感想は「私にはきつい」と思いました。
1クラス担任チーム制のメリットはある しかし・・・
1クラスをチーム制にすることにより、いろいろなメリットがあるとは思います。
- さまざまな角度から子どもを見ることができる。それにより気づきが増える。
- 何に対しても複数人で相談しあえる。
- チーム制のため、互いの協力が前提となる。
- 新任の先生からすると、いろいろ学びやすい環境。
どれも一理あると思います。
それでも私は1クラス1担任制がよいです。それは「自分の色のクラスを作りづらい」ということです。
自分色のクラスを作りづらい
クラス担任をしていて私が一番面白いと感じるのは、自分の色のクラスを作れるということです。
学年末ともなると先生は生徒のことをしっかりと把握しているし、生徒も先生のことを把握していて、まるで阿吽の呼吸状態となります。
「このクラス最高。ずっとこのクラスのまま行きたい。」
と思えるほどになります。
これは自分でいうのもなんですが、全力で子どもたちに向きあっていったからこそです。
しかし複数担任制となってしまうと、複数の先生でクラスを作り上げることになります。生徒の目がいろいろな先生に向きすぎてしまうことになります。すると一人の先生の言葉の重みが減ってしまうことになるのです。
周りの目が気になる
また周りに先生がいると、授業がものすごくやりづらくなります。
何か少しでも間違ったことをいったら後で何を言われるだろうか・・・と、子どもよりも周りの先生を気にしながら授業をすることになってしまいます。
新任の先生が一人で担任をするのは確かにきついこともあります。
しかしきついからこそ、必死になって覚え身についていきます。常にだれかが助けてくれる・・・という考えを持ってしまった場合、先生としての成長が鈍くなってしまいかねません。
人によっては助けになることも
一人でクラス運営をしていて、精神的に参ってしまう先生がいるのも事実です。
そういった場合には複数担任制はよいのかもしれません。
新任の先生も仕事を覚えるためにはある程度追い込まれるくらいの気持ちで頑張ったほうがよいです。ただそれで先生という仕事が嫌いになるくらいであれば、複数の人で助け合える環境を揃えたほうがよいと思います。
何がベストな学級運営かはわからないが困ったときに臨機応変に
何がベストな学級運営かということは難しい所です。先生によって違いますし、対する生徒によって異なります。
去年、クラス運営をものすごく上手くしていた先生が、次の年にはクラス運営がうまく行かず、学校に来れなくなってしまった・・・というのも目にしたことがあります。
私は基本的には1クラス1担任制でよいと思います。
ただし、先生が「このクラスは自分の力では難しい」と思ったときには、助けを求められる、助けを求めやすい環境になればよいと思います。
そしてそういった場合には、副担任が入ったり、講師が入ったりと、そこから複数制がスタートしてもよいと思います。
人材確保と教師の理解が必要
ただしなのですが、これは人材を確保できての話となります。
学校側としても多少人材に余裕をもった状態で学校運営したいものですが、昨今の人材不足から、1クラス1担任制ではじまったクラスを突然複数担任制に移行することは難しいでしょう。
複数担任制をするのであれば、学級がはじまるはじめの段階からの採用となることでしょう。
繰り返しますが、私は1クラス1担任制が好みです。ほかの先生に授業を見られると緊張するし、気になってしまいます。
そして私のような人は意外と多いと思います。先生の中には、自分のクラス運営に口出しをされたくないという人は多いです。口出しどころか教室にも入ってもらいたくないという先生もいます。
だからなるべく休まないようにしているのです。
多少風邪をひいたとしても休みません。代わりにほかの先生が入るとわかっているためです。
面白い試みだし、必要と感じる先生もいるかとは思います。ただこれを浸透させるためには人材不足の改善と、先生たちの理解が必要となることでしょう。
参照 「担任の先生は4人」1クラス1人の担任制を廃止 教師の働き方改革は「チーム担任制」…「小学校の教員は1人で授業をして、1人で保護者対応。全責任を1人に負わせていた」(MBC南日本放送)
参照 先生が足りない! 教員採用試験前倒しは解消に繋がる? 1クラス1人の担任制を廃止し「チーム担任制」を導入した小学校も【news23】(TBS NEWS DIG)