社会人経験を活かす

社会人経験が教師には必要 社会人経験は決して無駄ではない!

先輩の先生の一言が今も胸に残る

私が小学校で働き始めて学年主任にボソっと言われたことが、今でも印象に残っています。

「私は長年この仕事をやって来たけど、その他の仕事は出来ない。世の中の事、知らないんだよね。教師は潰しの効かない仕事だ。」

主任がそのような話を私にしてきたのは、その発言の前の私の言葉を聞いてからでした。

私はこのように言ったのでした。

「今まで色々な仕事をしてきました。その中でも学校の先生が一番面白いです。」

これは本心からの言葉で、事実本気でそう思っていましたし、今でもそうだと思います。

そのような話をした後に主任が上記の発言をしたのです。その時はピンと来ませんでしたが、学校で働いているうちに少しずつ、主任の言った意味が分かり始めました。

学校は閉鎖的な空間 子どもの保護者は社会で生きている

学校はとても閉鎖的な空間です。異動がありますが、学校は学校。どこも似通ったルールですし、同じような空気が流れています。

学校の先生の多くは、大学を卒業してすぐに採用試験に合格し、教壇に立っています。それゆえ、一般社会がどのようになっているのか知らないのです。

先生は子どもの前に立ち、授業を行います。その子どもの親は、教師ではありません。教師は公務員のため、なんだかんだ言っても安定した生活を手に入れられます。

しかし、子どもたちの親の仕事は上手くいっているところもあれば、そうでないところもあります。

収入が不安定であることは非常に不安です。公務員は収入が安定しているため、不安定な人の気持ちはなかなか分からないものです。

しかしある教師はこのようなことを言いました。

「何でしっかりと仕事をしないのか?子どもが可哀そうだ。」

最もな意見だと思います。しかしその反面、勝手な発言だとも思いました。

世の中不況と言われ、一般企業では残業代もカットされ、苦しい中で生活をしている親御さんが多い現状を知らないのです。知識として知っているのかもしれませんが、自分自身が体験をしたことがないため、深く理解しようとしないのです。

そのため、この厳しい世の中に一度教員は出て、仕事をしてみるのも良いのでは?と思うことがあります。

数年、一般企業で働き見聞を養う。それこそ、教師として必要なことではないのでしょうか?

「潰しが効かない」

非常にリアリティーのある言葉だと思いました。

10年経験者研修で世の中を知る機会がある

私と同じように教育現場も考えているのかもしれません。平成15年度より「10年経験者研修」というものが導入されました。

参考(外部サイト)

10年経験者研修(文部科学省)

各都道府県によって実施内容が異なるかもしれませんが、私の住んでいる市町村では「一般企業にて研修を受ける」というものらしいです。

期間はそれほど長くはありませんが、学校の授業がない夏休みなどを利用し、教師が一般企業にて研修を受けるのです。

先ほどもお話ししたようにあまり長い期間ではありません。表面のことしか見えないかもしれません。それでも一般企業の内情を実際に目にすることは、非常に良い体験になるかと思います。

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