教員には敗者復活がない | 社会人のための通信大学

教員には敗者復活がない

「教員は潰しが効かない」と現場の先生は考えている人が結構います。そんな中、教員の不祥事がニュースで流れることがあります。教員は公務員であるため、余程のことがない限りクビになることはありません。謹慎や減給と言った扱いになることが多いのです。

大きな事件・事故を起こしてしまった場合、クビにする前に教員から「自主退職」を申し出るケースがほとんどでしょう。周りの目もありますし、何よりも自分自身が教員として律することができなくなってしまうためでしょう。

問題はこの後です。教員が何かしらの事件・事故を起こしてしまった後、教員として復活するケースは今まで聞いたことがありません。勝手な推測ですが、教育委員会としても採用ができないのだと思います。過去に問題を起こし、自主退職までしたような人間を雇ったということが分かれば、抗議殺到するのは目に見えているためです。

そのため、潰しが効かないはずの教員が一度問題を起こし退職をしてしまった場合、「敗者復活することができない」、つまり教員に戻ることは出来ないのです。それでも人は生きていかなければいけません。

クビにならないように保身に走る 結果として子どもへの指導面で良くない

この現状をよく理解している教員は、クビにならないように細心の注意を払います。つまりどういった状態になるのか?それは「保身」に繋がるのです。要するに「思い切った指導ができなくなる」と言うことです。

加減をしながら、子ども達の反応を見ながら悪い言い方をすると、子ども達の顔色をうかがいながら、そして、その背景の親の顔色をうかがいながらの指導になってきます。子どもが悪いことをした場合、本当は本気で怒らなければいけない場面でも、強く怒ると、その後、保護者からのクレームが来たり、あることないこと言われ教育委員会に報告されたりする可能性があります。

なので、なるべく無難な対応を取ろうと考えます。でもこれは本当に子どもたちにとって、良い教育と言えるのでしょうか?私はそうは思いません。


ご存知でしょうか。ある学校では授業中に、他のクラスや他の学年から子どもが、他のクラスに遊びに言ったりしているのです。授業中にですよ。どう考えても授業妨害です。これに対し、教員が取る行動はというと、「何もしない」という話を聞きました。また、授業中に寝ている子どもがいるときも同じです。教員は「何もしない」ということらしいのです。

また、ある子どもが問題を解けたときに「よくやった」と、先生は生徒の頭を撫でたそうです。その後、その先生は「セクハラ」と言うことで問題になったそうです。


どう考えてもおかしくないでしょうか?なので、注意をしない教員が増えてきてしまったのです。何をしても注意されないから子どもはどんどん言うことを聞かなくなります。大人を舐めるようになってきます。


「悪いことをしたら怒る。良いことをしたら褒める。」

これが教育です。子ども達はまだまだ知らないことが沢山あります。知らないことを指導するのです。考え違いしていることを正すのです。それが教育です。

もっと思いっきり学校の先生が指導ができるようになると、もっと子どもたちが良くなっていくと思います。

原因はどこにあるのか?

これらの原因はどこにあるのでしょうか?論理的に考えると非常に簡単に原因元を探し出すことができます。

  1. 子どもが問題を起こす。
  2. 先生が注意をする。
  3. 子どもは腹が立ち親に報告する。(体罰ではないのか?セクハラではないのか?)
  4. 親から、学校もしくは教育委員会に報告される。
  5. 報告されたからには問題として扱わなければいけない。
  6. 少なくても学校内では共通理解として、全職員に知れ渡る。
  7. 場合によっては学校にいられなくなり、休職や自主退職をする。

大雑把にいうとこのような流れになります。このような流れの最後に辿りつきたいとは誰も思いません。なので、①や②の段階で、その先に行かないよう、教員は問題生徒に関してはほっといてしまうのです。

お分かりでしょうか?どこが大きな原因となっているのか?それは②と③です。

教員と子供の関係作り

実は教員と子どもの関係がしっかりと出来上がっていれば、余程のことがない限り、子どもが保護者に先生を悪く言うことはありません。それゆえ、保護者から文句を言われることもありませんし、その後、学校や教育委員会に報告されることはありません。

教員と子どもの間にある種の「信頼関係」が成り立っていれば、怒ろうが触ろうが問題になることはないのです。

保護者は客観的に冷静に

教員と保護者の関係も重要です。もし教員が子どもを怒ったとしましょう。そういった時には、保護者に連絡を入れ、簡単にでも事情説明するのです。これをするのとしないのとでは大きな違いとなります。

保護者は子ども側に立って判断する傾向にあります。子どもは自分に都合の良いように親に報告します。

分かりやすく言うと、A君がB君を殴ったといった問題が起こったとしましょう。それもこの問題は何度も繰り返されるので、そのたびに指導を行い、今回は今までにないくらい強烈に怒ったとします。

するとA君が親に報告します。「先生にめちゃくちゃ怒られた」と。勿論B君をいじめていたこと、それまで何度もいじめていたことは親には言いません。自分の不利になることは言いません。そして親は激怒し、学校、もしくは教育委員会に報告することになるのです。

ではどうすればこのようなことにならないのでしょうか?初めに言っておきますが100%回避する方法はありません。ただし少しでも回避率を高める方法はあります。

今回の場合のように、何度もA君がB君を殴っていた場合、初めの段階から親に報告をします。A君、B君両方の親にです。初めのうちは電話で良いと思いますが、何度も続くようでしたら、直接会って話をした方が良いでしょうね。

私ならA君の親には次のように話すと思います。ちなみに子どもが家に帰る前になるべく親に報告をした方が良いです。子どもから親に情報が先に行ってしまうと、子どもが自分都合で話をすることになりかねないので。

「今日A君が他の子を殴ってしまったようです。話を聞いたところ事実で、どんな事情があるにせよ殴ることは悪いので、こちらとしても今後ないようにと注意しておきました。もし家に帰った時にA君から相談を受けるかもしれませんが、その時は話を聞いてあげてください。」

こんな感じでしょうか。

そしてB君の親にも報告をしておきます。

「今日、学校で問題がありまして、B君が他の子に殴られました。殴った子どもにはガツンっと言っておきました。原因を聞いてみると、些細な口げんかが原因らしいです。殴った方は当然悪いですがB君も自分が言ったことを反省しているようです。B君が今日帰った時にもし落ち込んでいるようでしたら励ましてあげてください。」

互いに誰と揉めたとは言いません。保護者同士が敵対視する可能性もありますから。このような感じで互いの保護者に連絡をすれば良いと思います。それ以前に、全ての保護者と良い関係を気づけるようにしておくと、更に話がしやすく良いと思います。

そしてA君がさらにB君を殴ったとしましょう。その時は本気で怒って良いと思います。そして同じように保護者に連絡を入れます。A君の保護者には

「再三注意してきたのですが、A君がまた友達を殴ってしまいました。流石にまずいので、今回は本気で怒らせてもらいました。その後は相当落ち込んでいたので、家で様子を見てみてください。」

ちなみにこれは私の経験談です。この時の本気怒りは相当なものでした。他の教室に響き渡るくらいの怒号でした。言葉のチョイスもここでは書けないような単語を使用しました。それでも保護者からクレームが来ることはありませんでしたし、保護者からは逆に謝罪されました。その時だけではありません。似たようなケースは多々あり、もっと強く指導したことも何度もあります。それでもクレームが来ることはありませんでした。

何を言いたいのかと言うと、保護者との関係を良好にしておくことが重要なのです。そうすることで、滅多な事ではクレームが来ませんし、学校や教育委員会に報告されることもありません。

まとめ

子どもと保護者、この両者と良好な関係、信頼関係が出来上がっていれば、何かしらの問題があっても大きく発展することは通常ありません。極端かもしれませんが、多少授業で手を抜いたとしても、ここで手を抜いてはいけません。

この良好な関係を築けないと、問題がどんどん大きくなっていき、あることないことで、教育委員会や学校に報告が行きます。そうなると場合によっては、職を追われる可能性まで出てきて、もし退職となったら、敗者復活は非常に難しくなります。

教員として長く続けていくのであれば、子ども、保護者としっかりした関係を築き、多少の問題でも「先生ならいいか」くらいの状態に持っていければ、思い切って指導ができると思います。

あと、保護者の方にお願いです。確かに問題のある教員はいることでしょう。腹の立つこともあるかもしれません。ただし、あなたの行動1つで、その教員は職を追われることになる可能性があります。それほど脆いものでもあるのです。問題がある場合には、是非冷静になって対応するようよろしくお願いします。