学校の実情 意外と知られていない学校の裏側

学校の家庭内暴力に対する対応 疑いだけでは思い切った行動がしにくい現状

学校の家庭内暴力に対する対応 疑いだけでは思い切った行動がしにくい現状

子どもに対する家庭内暴力の報道がメディアで流れることがあります。

非常に心苦しいことではありますが、実は結構ある話です。

家庭内暴力の実態を学校が見極める方法

学校で働いていると、学校として把握をしているだけでも1学年内に1人~2人はいます。把握していないもの、把握できないものを含めるともっと沢山あるかもしれません。

本来は全てを把握すべきなのですが、「あなた家庭内暴力していますか?」と保護者に聞くわけにもいきません。それはそれで問題になってしまうためです。

明らかに確信を持てる情報を手に入れた段階で、次の行動を取れるようになります。

では、どのように学校は家庭内暴力の実態を把握するのでしょうか?

  • 体の変化(アザなど)
  • 被害者であることもからの証言や反応
  • 親類からの通報
  • 地域の人からの通報
  • 幼稚園からの申し送り
  • 自己申告

大抵がこのような感じになります。

しかし、体の変化や自己申告以外は家庭内暴力が行われているかどうかは憶測に過ぎなくなってしまいます。

決めつけてしまう先生の存在

学校ではこれらのどれかが該当すれば家庭内で暴力が行われていると「断定」する先生が多いのです。未然に防ぐ意味を込めて早い段階から反応するのは良いことですが、断定するのはいささか危険でもあります。

「疑わしい」くらいでよいのではないでしょうか。

学校で家庭内暴力をされていると「断定」された場合、どのような行動を取ると思いますか?

ここからが私が皆さんに言っておきたいことです。

学校側がすることといったら次の通りです。

  • 学年内で共通理解する
  • 教頭、校長に伝える
  • 学校内での共通理解
  • 学年が変わるときに次の学年に伝える

私の知る限りでは以上です。

もしかしたら児童相談所等に相談することもあるかとは思うのですが、私の知る限りではそのようなことは今までにありません。

もし本当に家庭内暴力が行われていたとして、この程度でどうやって子どもを守れるのでしょうか。積極的に児童福祉施設や外部機関に通報するべきなのです。しかしそうはしません。明らかに家庭内暴力が行われていると核心を持ったとしても、通報する学校は極わずかだと考えます。

では、なぜ通報しないのか。

理由は簡単です。もし万が一違っていたとしたら問題になるからです。家庭内暴力ですから学校側は保護者を疑うわけです。考えても見てください。

学校:「あなたは子どもに暴力をしていますか?」

親:「はい、しています。」

と答える親がいるはずがありません。

保身を考えず、子どものことだけを親身に考える先生でなければ子どもは助かりません。はっきり言いますが、現在の学校の体制では、暴力を受けている子どもは助かりません。地域で見守り、おかしいと感じたら他人の子どものことでも通報したほうがよっぽど助かる可能性はあります。学校に任せておいても何の解決にもなりません。

育児放棄する親の存在

家庭内暴力に該当するか分かりませんが、私が担任していたクラスの子どもの保護者に、育児放棄の疑いがありました。

そのクラスには途中から入り担任となったため、初めのうちは詳しい情報を知りませんでした。ただいつもトラブルの中心にいるような子供でした。

私がその学校に赴任する前から、その子が育児をしっかりされていないということが問題になっていたようなのですが、担任である私には知らされていなかったのです。

これはこれで問題だとは思うのですが、私はその子の雰囲気が周りと違うということだけを感じていました。

職員室で食事をしている姿を目撃

ある日、朝学校に行ってみると、その子がが職員室にいました。そして前日に出た給食の残りのパンを食べているのです。

明らかにおかしいですよね。子どもが職員室にいて、尚且つ食事をしているわけですから。

すると一人の先生が私に近づいてきました。この先生は私が担任になる以前に担任をしていた先生です。

「実はこの子、家で食事をもらえないことがたまにあるの。そういったときには職員室で食事をあげるようにしているの。」

驚きとともに大きな疑問が。

「え?それ今言う?私担任なんですけど・・・。」

雰囲気が周りと違うとは感じていましたが、まさかそんな状態であるということは分かりませんでした。

それから毎日声を掛けるようになった

そのことが分かってからというもの、私は毎朝、その子にこのように聞くようにしました。

「どうだ、今日は朝飯食ってきたか?」「腹減ってないか?」

文字だとうまく伝わりませんが、自然の会話の中にこのようなフレーズを入れるようにしたのです。なぜなら「食事をもらえないことが特別なこと」というのをその子に伝えるには、あまりにも小さすぎると思ったためです。

そして「食べてない」「お腹が減っている」と聞くと、「よし、職員室に行くか」と声掛けするようにするようになりました。ここからコミュニケーションをさらに取るようになっていきました。

実は学校サイドで動いていた

この話には続きがあります。

例のごとく、私の知らない所、そして学校の上の役職の人たちの間で、この子の問題について動いていたのです。

そしてある日、保護者を呼び出し校長室で話し合いが行われました。

そこで強く攻めるわけではありませんが、食事の大切さなどを保護者に説明したのです。

実は家庭的にも問題がありました。この子の親は父親のみで、さらに非常に年齢が若かったのです。そして夜働いているため朝は起きられずにいたようです。

とはいっても、親なのですから子どもに食事を与えるのは当然だと思います。

この話し合いの後、以前よりは食事をもらえるようになりました。

「どうだ、今日は。お腹減ってないか?」

いつものように聞くと、

「大丈夫!腹一杯!」

と返ってくるようになったのです。

確かに学校の対応は周りから見るとのんびりしているかもしれません。もっと迅速に動けないのかと思うこともあります。ただ今回のように話し合いだけで改善されることもあるのです。

その反面、話し合いでは解決できず、また違った問題が発生することもあるかと思います。

その見極めをしっかりするのが、学校、そしてクラス担任となってくることでしょう。

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