通信教育で教員免許を取り、色々あって教壇に立つことになりました。その始めのクラスがとてつもなく強烈なクラスでした。
学校一の問題クラスに着任
学校一、問題のクラスということだったのです。授業中逃走をするわ、机に足を乗っけるわ、喧嘩は始めるわと元気良すぎます。
ずっと社会人としてやってきた私にとって、どれも許してはいけないことでした。目に付く全ての問題に積極的に介入していきました。勿論、ただ叱るだけでは直りません。
- どうしてそういうことをするのか?
- 原因はどこにあるのか?
- 問題を起こした子どもの気持ちはどういったものなのか?
駄目なものはダメ 当たり前の指導を理由を付けて説明
総合的に判断しながら、生徒指導を進めていきました。
するとバラバラになりかけていたクラスが、1ヶ月ほどで少しずつまとまってきました。逃走する子どもがいなくなり、喧嘩が少なくなってきたのです。
私のしたことは当たり前のことだけです。
- 悪いものは悪いと理由を言いながら話しをする。
- 子どもの話には全て耳を傾ける。
- 無駄話をする。
これだけです。
無駄話をすることは大事 周りの先生の批判は右から左
最後の無駄話をするというのは、先生の間では賛否両論でした。
でも、学校に来ることが楽しいと思わないと子どもだってイライラし始めます。先生が毎日、分けのわからないくだらない面白話をしてくれたら、私だったら学校に行きたいなぁと思います。
大抵、話しのネタはその日の朝のニュースのことです。ロケットを打ち上げたニュースがあったら、
「今日、ロケット打ち上げたらしいよ。宇宙って何があるのかな?宇宙人っているのかな?」
から始まり、最終的には宇宙の始まりやビックバンの話しまで行きます。
朝の会の先生の話から話し始め、1時間目が始まってもずっとその話しです。
「授業が遅れる!」
という先生もいますが、そういった話をしているときの子どもの目はキラキラしています。また、こちらが話しをしているときに、しっかりと聞く態度を養っていっているのです。聞く態度がしっかりできていなければ、授業は成り立ちません。
次に先生は何を話すんだ?これが聞く姿勢を作る基本
私のクラスは、始めは聞く態度が全くなっていませんでしたが、しばらくそんなくだらない話しをしているうちに、全員が先生の方を向き、話しを聞くようになりました。それは、授業中にもしっかりとできるようになったのです。
もし、横の人と話しをしていたとしても、
「だからここは、こうなるんだよ。次の問題に移ろうか?A君。でこの問題は・・・」
といった感じで、話しの中にいたずらしている子どもの名前を入れたり、「ね!!!!」とかいいながら、その子の方を見るだけで、簡単に話を聞く姿勢に戻るのです。
授業が遅れるといった先生もいましたが、聞く姿勢ができていた私のクラスは、他の2年生のクラスよりも成績は良かったのです。
結果は最大の効力 当たり前のことを続けただけ
そうして、初めてのクラスでの生活が終わろうとしていた頃、多くの先生に
「始めはあのクラス最悪だったけど、今では学校一まとまっているねぇ。何をしたの?」
と言われるまでになりました。
「特に何も・・・」
私はただ、社会人として働いてきたときの経験を元に、指導をしてきただけなのです。
コメント